事物も老いる

それらの事物は私と同じく生きてきたし、私と同じく老いたのだ。
（アンリ・ベルクソン）
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かつて滞在した町の家々を思い出して、その印象が昔と異なっているのに驚くことがある。「家」という同じ語から、変わらぬ同じ対象だと思い込んでいたのに、その印象が変容していることに。私の経験は事物の印象と混じりあっている。悲しみも「悲しみ」だから同じなのではなく、月日をはさんでその内実をじんわり変えてゆく。哲学者の『時間と自由』（中村文郎訳）から。

鷲田清一による折々の言葉 朝日新聞 2020.03.20

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哲学者が引用する哲学者の言葉、深い！