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2020年2月 1日 (土)

■カタカナ語でしか読まない

 名古屋市のビルのエレベーターにある表示です。〈行き先階の釦を押して下さいませ〉。さらっと書いてありますが、「釦」は常用漢字にもない。難読漢字と言えます。
 読み方は「ボタン」です。漢字なのに、読みはカタカナ語。変わっていますね。音読みの「コウ」は、普通は使いません。
 カタカナ語の読みが定着した1字漢字と言えば、「米」(メートル)、「頁」(ページ)、「弗」(ドル)などが思い浮かびます。単位などが多い印象です。「釦」のように名詞で使われ、しかも普通カタカナ語でしか読まない漢字は、これといった例を思いつきません。
 この「釦」の字はファッション関係で目にします。たとえば、紳士服の広告に〈3釦スーツ〉とありました。「みつボタン」ですね。
 JRの駅のエスカレーターにも、以前は〈非常停止釦〉という表示がありました。ところが、最近は〈非常停止ボタン〉と普通の表記に改められています。
 非常用のボタンの文字が読めないと、確かに困ります。実用の観点から言って、「釦」の使用範囲は、今後狭まっていくことでしょう。

朝日新聞 be on Saturday 2020年01月11日
(街のB級言葉図鑑)飯間浩明(国語辞典編纂者)

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