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2020年1月15日 (水)

餓死

朝日新聞 be on Saturday 2020年1月4日
(生老病死)「安楽死」による最期に思う
山折哲雄(宗教学者)

 正月早々、縁起でもないよと言われそうだが、橋田寿賀子さんの「安楽死で死なせて」と、樹木希林さんの「死ぬときぐらい好きにさせて」のメッセージが、この国にこだまするようになっている。
 年末、その声を背に、いま話題になっている宮下洋一氏の『安楽死を遂げた日本人』(小学館)を読んでしばし感慨にふけった。帯には、NHKスペシャルで大反響! 「安楽死は私に残された最後の希望の光」とある。主人公は多系統萎縮症という難病を患った小島ミナ氏。50歳で独身。全身の機能が徐々に衰え、やがて摂取も排泄(はいせつ)もままならなくなる。はるかスイスに赴き安楽死による最期を迎えようと決意する。
 著者の宮下氏はフランスやスペインを拠点に活動してきた国際的なジャーナリストで、安楽死を認めるスイスなどで取材を重ねてきた。その仲介のもとさまざまな困難をのりこえ、ゴールに至るまでの迫真の追跡がはじまる。冒頭で驚かされたのは、安楽死をおこなう医療機関が「自殺幇助(ほうじょ)団体」を名乗っていることだった。
 悩ましいのは、闘病の過程で何度も自殺をはかり、こころの葛藤に苦しみつづける姿だった。それでも安楽死を遂げようとの決意には、いささかもぶれがみられない、その気丈な性格。若いころは職場で、ミス・セクシーに選ばれるほどの活発で可愛い女性だった、という。
 それが最期の場面ではベッドに横たわり、医師の介助で点滴を装填(そうてん)され、あらためて確認事項をきかれて、答える。
  Yes, I will go to die.
  はい、私は死ぬのです。
 準備がすべてととのい、小島さんは最後の最後、点滴のストッパーを親指でこじ開ける。チューブに入った致死薬が血液のなかに融(と)けていった。死亡が確認されてから30分後、警察官と検屍(けんし)官がやってくる。カメラに収められた「自殺幇助」の瞬間だ。
 そこまでの一部始終を読み終えたとき、私の胸の奥にこみあげてくるものがあった。宮下氏が冷静に書きとめているドキュメントにたいして噴きあげてくるものだった。
 小島さん、あなたはなぜ、断食による最期を迎えようとされなかったのですか。

*****

私は文中にあるNHKスペシャルを見ました(こちら)。『安楽死を遂げた日本人』は読んでません。山折氏は恐らく私の逆なのでしょう。その為でしょうか、この文章に多少違和感を覚えます。これまで「生老病死」にそのようなことを感じたことはありません。特に、断食による最期、と提唱する意図はどこにあるのでしょうか。詳しい説明が聞きたい。

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