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2019年11月16日 (土)

難民

■軽い使い方も増えてきた
〈40代からの健康難民〉に向けたジムの広告です。運動の機会に恵まれない人々を指すのでしょう。
 いきなり硬い話をしますが、「難民」とは本来「亡命者」に近いことばでした。人種・思想などが理由で迫害され、国外に逃れて来た人。ミャンマーから逃れたロヒンギャの人々は、この意味の難民です。
 さらに、戦争や飢餓などのために、命からがら国外に逃れて来た人のことも「難民」と呼ぶようになりました。シリア内戦で国外に逃れた人々は、この意味の難民です。
 一方では、比喩的な用法も生まれました。災害時の「帰宅難民」(帰宅困難者)などがそうです。支援が行き届かなくて、不自由している人々を指します。
 そしてついに、「ランチ難民」(職場で、昼食をとるのに不便を感じている人)といった、軽い使い方も増えてきました。「健康難民」の例も、この延長線上にあります。
 悲惨な「戦争」にも、「嫁しゅうとめ戦争」などという使い方があります。「難民」に軽い使い方があっても、べつに悪くはありません。とはいえ、街角で思わずドキッとしてしまった私でした。

街のB級言葉図鑑 朝日新聞 be 2019年11月9日
飯間浩明(国語辞典編纂<へんさん>者)

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