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2019年10月 5日 (土)

自由主義の失敗

「人間とは、本来、『自然、時間、土地』という、自身でどうにもできない条件に制約された存在です。生まれるはるか前から個人を超えて存在してきたものの一部として生きている。それがまさしく文化や伝統というものです」
 「自由主義の思想は17世紀の哲学者ホッブズやロックにさかのぼります。人間の単位は自由で平等な個人で、政府の役割はその個人の自由を守ることとされました。自由主義は個人を様々な制約から解放するのに成功しましたが、その過程で文化や伝統は消費される商品のようにとらえられました」
 「自由主義の果実を得ている人々にとって『自然、時間、土地』といった制約は別になくたって困らない。自由に動き回れる、いわゆる『コスモポリタン』を自任する人々です。自由主義は貴族階級を葬ることに成功しましたが、その後釜として、新たなエリート層という別の特権階級をつくりだしてしまったのです」
 「自由な秩序からどんな利益を得たのかを熟考しながら、いかなる犠牲を払ってきたのかを振り返ることから始めることです。当たり前だと思っていた哲学的、社会的な価値観を改めて問い直し、自らが根ざす『自然、時間、土地』の感覚を取り戻す必要がある。そうしなければ、地球温暖化や財政悪化のような問題と闘うことはできないでしょう。行きすぎた自由主義やグローバル化に対抗するために、ものごとはできる限り地域社会で決める。ローカルの復権が手がかりになると思います」

朝日新聞 2019年9月19日(インタビュー)自由主義の失敗 米政治学者、パトリック・デニーンさん

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