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2019年10月14日 (月)

日本・韓国・台湾・香港による東アジア共同体

なぜ嫌韓言説がこれほどまでにヒステリックに語られるのか?
 それは日韓の間には「同族間の競争」マインドが伏流しているからである。私はそう考える。
 直系家族では、誰かひとりが「家督」を継がなければならない。だから、「集団の『盟主』は誰か?」という問いがつねに兄弟たちの間の関心事になる。
 台湾と香港は、いずれも中国によっては「中国の一部」と見なされている。となると、新しい共同体の中心の座を占めるのは日本か韓国より他にない。
 果たして、誰が東アジア共同体の盟主となって、新しい「合従」を率いるのか?
 この問いに日本人は「私たちだ」と言い切れるだけの自信をもう持っていない。
 経済的成功の指標である一人当たりGDPで日本はいま世界26位、韓国は31位である。日本はランキングを転落中で、韓国は上昇中であるから、順位の交替は時間の問題である。経済だけでなく、学術的発信力や教育レベルでも韓国の後塵を拝することをそれぞれのセクターの人々はもう気づいている。とりわけ市民の政治的成熟度においては日韓にはすでに乗り越えがたい差がある。一方では市民たちが民主化闘争を経て軍事独裁を廃し、民主制を確立した。他方ではアメリカに与えられた天賦の民主主義が独裁制に移行するプロセスを市民たちはぼんやり口を開けて見つめている。

内田樹の研究室、のブログ 2019-10-10「合従論再考」から。

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