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2019年8月24日 (土)

自分と同じように腸にも栄養を与える

ヴァイバー・クリガン=リード著「サピエンス異変」
第Ⅳ部のまとめから引用、その2。

 私たちが食べる食物の種類によって微生物叢の活性度がちがってくるので、微生物叢を活性化させるような食品を食べるべきである。身長が急激に伸びるのが成長中の一時期だけであるのと同じように、免疫系を訓練できる時期もかぎられていて、本書を読める人はみな、免疫系を完全に再教育するにはすでに遅すぎる。しかしだからといって、微生物叢をないがしろにしていいわけではけっしてない。人間の身体は食物繊維を利用できないが、腸内細菌は利用できるので(母乳中の多糖類と同じ)、多様な食品、とくに生の果物や野菜、アブラナ科の野菜(ブロッコリ、ケール、キャベツ、カリフラワー)など繊維質の食物を食べるとよい。みそ、ヨーグルト、ケフィアなど発酵食品もよい。プロパイオティック食品は、肥満の人のインスリンやトリグリセリドやコレステロールのレベルを下げ、心臓病や2型糖尿病など肥満に関連する数々の病気のリスク要因を減らしてくれる。
 微生物叢は食欲も促している。その研究はまだ初期段階(ショウジョウバエなどを使った実験の段階)だが、私たちが食べる食品に応じて腸内細菌が増えたり減ったりすることはすでに証明されている。人間が食事をすると腸内細菌も餌を採り、さまざまな物質を分泌して遺伝子を活性化し、栄養素の吸収を促す。また腸内細菌は、人間の中枢神経系や脳とも情報をやりとりしている。そのしくみはまだわかっていないが、何百万年ものあいだ体内に微生物叢が棲み着いているうちに、人間は情報をやりとりする宿主として共進化してきたらしい。腸内細菌は、自分たちが欲しいものを人間からもらえるよう、食欲を促す。道に、腸内細菌にとって過酷な環境を作ってしまうと、身体はそれに応えて、うつや不安症、さらには高血圧になつてしまう。

 

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