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2019年7月21日 (日)

図書館について

 本が僕に向かって合図を送ってくるということがある。でも、それはしんと静まった図書館で、書架の間を遊弋しているときに限られます。
 そういうとき、僕は自分がどれくらい物を知らないのかという事実に圧倒されています。どこまでも続く書棚のほとんどすべての書物を僕は読んだことがないからです。この世界に存在する書物の99.99999・・・%を僕はまだ読んだことがない。その事実の前にほとんど呆然自失してしまう。でも、それは別にだから「がっかりする」ということではないんです。僕の知らない世界が、そしてついにそれについて僕が死ぬまで知ることのない世界がそれだけ存在するということに、「世界は広い」という当たり前の事実を前にして、ある種の宗教的な感動を覚えるのです。
 そして、これらの膨大な書物のうちで、僕が生涯に手に取るものは、ほんとうに限定されたものに過ぎないのだということを同時に思い知る。
 でも、それらの書物は、それだけ「ご縁のある本」だということになります。

内田樹の研究室、のブログから 2019.07.20

 

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