仮親
かつては多くの大人が、一人の子と仮の(擬似的な)親子関係を結んでいた。田中優子
「仮親(かりおや)」という風習である。妊娠5カ月の祝いに帯を巻いてくれる帯親。出生時の取り上げ親、乳つけ親、名づけ親。故あって子を引き取る「拾い親」。それに「守姉(もりあね)」といって隣家の娘などが子育てを引き受けたと、江戸文化研究家は教える。子どもが生まれれば、誰の子かにこだわるより先にみなで手塩にかけて育てた。コミュニティの未来のために。『カムイ伝講義』から。
朝日新聞、鷲田清一による「折々のことば」 2019年6月30日
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