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2019年4月28日 (日)

のんき節

敗戦後の初の総選挙は昭和二十一年(一九四六)四月十日に行われ、「のんき節」の石田一松が当選した。日本初のタレント代議士の誕生ということになる。
♯ 男なら 男なら
  何をいつ迄(まで)未練じゃないか
  敗けた戦争の責任負って
  官吏代議士 みなやめろ
毎日のようにこれを聞かされていたある代議士が怒り狂って「芸人風情(ふぜい)が生意気だ!」といったので、石田一松はこの初の総選挙に立候補して見事に当選、議員バッジを光らせて、ハハのんきだねェーと「のんき節」を痛烈に歌いつづけた。
♯ 闇(やみ)肉 闇酒 闇のお米で
  生きてるお方は 欲に目がくらみ
  配給の食糧で生きてる奴は
  栄養失調で目がくらむ
  ハハ のんきだねェー
その少しあとに流行した珍教育勅語というのもあった。
「民惟(おも)うに、わが公課公租(税金のこと)国に収むること宏大に、配給を絶つること深刻なり。わが官僚よく誅(ちゅう)によく求(きゅう)に、億兆紙幣をくずにして、世々その非をなせるは、これわが国体の精華にして、頽廃(たいはい)の淵源(えんげん)実にここに存す。民草貧民父母に分かれ、兄弟に離れ、夫婦野合し……」
あとはすっかり忘れたが、たしかおしまいは「虚名護持」であったと覚えている。

朝日新聞 be on Saturday 2019年4月13日号 半藤一利の(歴史探偵おぼえ書き)「空きっ腹、胸に刻んだのんき節」から抜粋

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